自動車関連会社の下請け工場でバイトしているY君が、給料のことでちょっと困っているようです。どんな内容かと言うと・・・
Y君の会社は毎月15日締めの25日支払いと決められていますが、今月の25日が土曜日の為、給料が振り込まれるのは翌週の27日になってしまうそうです。
ローンの引き落としが27日ということで、ギリギリ引き落とされるかどうか・・・というところなのでとても不安なんだとか。
というわけで、今日は
給料の前借りはバイトでもできるのか?
ということを取り上げてみたいと思います。ちなみに、私の勤めている職場ではあまり前借りが必要という人を見たことがありません。果たして、Y君は無事に前借りをすることができたのでしょうか?
緊急の場合にはバイトでも給料の前借りができる!
給料の前借りと言っても、例えばY君のように15日まで働いて、その分の給料を給料日より前に支払ってもらうということです。前借りと言うと、働いてもいない分のお金を借りるというイメージを持つかもしれませんが、そうではありません。
ですから、前借りというより、ちょっと先払いというイメージですね。Y君の場合は1か月分働いていますが、例えば10日間働いた分を前借りするということも可能。
前借りした分の返却については、多くの場合は個別に支払う必要はありません。会社側は、前借りとして先に支払っているので、本来の給料日には残りの給料が支払われることになります。
実は、給料の前借りについては労働基準法にきちんと書かれているので、会社側は応じなければなりません。
では、労働基準法にはどのように書かれているのでしょうか。
労働者が、出産、疾病、災害等の非常の場合の費用に充てるために請求する場合は、賃金支払期日前であっても、使用者は、既に行われた労働に対する賃金を支払わなければならない
厚生労働省「労働基準法第25条」
先程も書いたように、既に行なわれた労働に対する賃金を前借りとして請求することができるということです。会社側は、これに応じなければ罰せられることになります。
そして、この法律は正社員だけではなく、パートやバイトにも適用されます。ですから、Y君のようなバイトでも、きちんと働いていれば前借りができるということになります。
但し、非常の場合に限るという部分が引っ掛かります。実は、「非常の場合」についても、労働基準法施行規則の第9条にきちんと書かれてありました。
- 出産
- 病気
- 災害
- 結婚
- 死亡
- やむを得ない事情による1週間以上の帰郷
そして、これらの非常の場合というのは本人に限ったことではありません。例えば、父親が亡くなった場合の帰郷など同居人や家族・親族の場合も含まれます。
では、Y君の場合はどうでしょうか。
Y君の場合は、バイト代の給与振込みの日が遅れるということなので、上記の非常の場合には含まれていません。ですから、会社側の裁量となるのですが、きちんと理由を話せば解かって頂けるのではないかと考えます。
また、会社によっては前借り制度をきちんと取り決めている場合があります。私の知り合いで、とある会社の経理をしているKさんと話をしていると、
と、とぼやいていました。
給料の前借りは意外と一般的なことなのかもしれませんね。
ただ、あなたの周りで
なんて言う人を見たことがないかもしれません。やはり、前借りをするということは良くないイメージがあるので人には言わないのでしょう。会社側としても守秘義務がありますし、個人的な情報は言いませんよね。
では、実際に会社側に給料の前借りを申請したい場合にはどのようにすればよいのでしょうか?
給料の前借り用の申請書を作ろう!
バイトのY君が給料の前借りをお願いするときに、どのような形で申請すればよいのでしょうか?
会社側で給料の前借り制度が決められている場合は、恐らく申請用紙があるのではないかと思いますので、その様式に記入して上長や経理に提出すれば良いでしょう。
しかし、
という場合も、口頭だけではなく、申請用紙を書面で提出した方が良いでしょう。ちなみに、前述のKさんの会社は
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と言っていました。そんな会社は稀ではないかと思いますが、世の中には色んな会社があるものですね。
では、どのような申請用紙を準備すべきでしょう?
申請書の名目は「金銭借用書」や「借用書」または「同意書」です。一般的に、下記の事が書かれていれば問題無いでしょう。
- 借用書の作成日
- 借入日
- 借入金の金額
- 返済方法・期限
- 借主の氏名・捺印
- 会社名、代表者名
ネットで検索すると、無料のフォーマットなどがあります。その中からお好みのものを使用すると良いと思います。
ところで、前借りの意味を履き違えている場合には違法となる可能性もありますので、基本的なことだけ知っておきましょう。
強制労働の禁止に抵触するような約束は違法だ!!
あなたと雇用主の間にある程度の信頼関係が築けた場合に、前述の前借りではなく、働いていない分のお金を借りることがあるかもしれません。
その場合、給料を先払いしてからその分を労働させるというのは強制労働であると捉えられるので、労働基準法違反となり得ます。これは、労働基準法の第17条「前借金相殺の禁止」と、労働基準法の第5条「強制労働の禁止」に書かれています。
極端に言うと、脅して強制的にAV出演させている会社と同じということになるのです。ですから、会社側として、労働を条件にお金を貸すということは認められません。
あなたはそんなことが無いと思いますが、念の為覚えておくと良いでしょう。
どうしても急にお金が必要という場合には、消費者金融でキャッシングをするのが手っ取り早いかもしれませんが、単発のバイトをするという方法もあります。
単発のバイトなら、殆どの場合が現金で即日支給となりますので、急にお金が必要な時には一考してみるのも良いのではないでしょうか。下のリンクから単発のバイトが検索できます。
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まとめ
今日は、バイトの給料を前借りすることができるのかというテーマを取り上げてみました。もう一度記事を振り返って見ましょう。
労働基準法では、緊急の場合に限り、既に行なわれた労働に対する賃金を支払って貰うことができると決められています。ですから、バイトでも給料日前に先払いして貰うことは可能です。
但し、決められているのは下記に示す非常時のみです。
- 出産
- 病気
- 災害
- 結婚
- 死亡
- やむを得ない事情による1週間以上の帰郷
ですから、その他の場合については、会社側の裁量によるところとなります。しかし、知られていないだけで、意外と給料の前借りをしている人は多いようです。
そして、バイトのY君は「借用書」を自分で作って会社側に提出したところ、特に問題もなく前借りができたとのことでした。めでたしめでたし・・・
前借りの経験はありませんが、私の体験談も読んでみてください。あなたの新しい気付きがあるかもしれません。

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